Text by 丹波篠山市農業遺産推進協議会
黒大豆「丹波黒」は、畝と畝との間が160cm、畝の高さが50cm以上という、独特な畝に植えられます。一般的な黄大豆の畝の高さは30cm以下ですから、その大きさも特筆です。
丹波篠山は水分を含んだ粘土質の水田が多く、大粒の黒大豆を植えた場合、種子が水分を吸収するまでに時間がかかります。そのため種子が腐りやすく、発芽率が低下してしまいます。そこで、溝を掘って水はけを良くする「堀作」という畑作の方法が始まり、やがて畝をできるだけ高くして土を乾燥状態にする「乾田高畝栽培技術」が生まれました。
豆類は、同じ畑で連続して栽培すると、収量が低下するなどの連作障害が発生します。しかし、水田と畑地とを定期的に入れ替えたことで、連作障害の回避と収量の確保につながりました。
ほかにも、中耕培土や摘心技術などの栽培技術が先人たちによって生み出され、乾田高畝の技術とともに、良質な黒大豆の生産につながっています。